歯科コラムcolumn

歯周病について

2021.08.30

皆さんがよく耳にされる「歯周病」というのは、歯のまわりの歯茎や骨などの歯周組織が破壊されていく病気です。進行、悪化していくことで歯を支えきれなくなり、美味しくものを食べれなくなったり、最終的には歯が抜けてしまいます。お口の中に住み着いている歯周病菌が原因で引き起こされます。誰のお口の中にも歯周病菌は存在していますが、歯周病菌だけでは歯周病は悪化しません。

「歯周病」は昔は「歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていた時代があります。何十年も前の話ですが、原因がよくわからないけど、歯茎が腐ったトマトのようにボロボロになってしまい、歯がグラグラになって抜けてしまう怖い病気、嫌な匂いもするし、たくさんの患者さん達を苦しめていました。
 

今は、「歯周病」の進行には、歯茎の境の歯周ポケットに沈着するプラークとそれが積もって固まってしまった細菌の巣である歯石の沈着が原因であることがわかってきました。それに加えて強すぎる噛み合わせ(咬合力)も悪化の原因の一つです。

 
日本では成人の80%に何らかの歯周病の兆候が出ていると言われており、30代を超えた頃からは定期的な予防処置(口腔ケア)が推奨されます。
 

また、お口の中の歯周病菌が気管や血管の血流に乗って、体内の各所で慢性炎症(常に軽度の炎症が起こっている状態)により、以下の問題を引き起こすことも知られています。
・糖尿病の悪化
・誤嚥性肺炎リスク上昇
・高血圧、心臓病のリスク上昇
・脳卒中、認知症のリスク上昇
・早産、低体重児出産のリスク上昇
・他
お口の健康だけでなく、全身の健康のためにも、歯周病の治療、そして状態が良くなった後は、維持するための定期予防処置は必要です。

 
大平歯科では、歯科医師、歯科衛生士がチームを組んで、皆様のお口と全身の健康をサポートさせていただいております。
 
お気軽に何なりとご相談ください。